Energy and Crystals

鉱石とエナジーワークと神智学と、生きること。

物質ではなく情報 〜ヒトも宇宙も〜

NHK コズミックフロントで、以前から興味を持つ「ホログラフィック宇宙論」を扱っていて、とても面白かったので記録のために。

アルガンザでは、カレッジのマスタークラスである「意識の学校」で少しだけ、量子物理学を取り入れていて・・もちろん名前の通り「意識」という問題を突き詰めていくのが目的で。インド思想、ヨーガ哲学などを紹介する傍ら、それと関わりを持つ内容を脳科学量子論などの最新研究や、音の周波数やクリシュナムルティの思想なども紹介していた。

その路線で言えば、量子物理学界で最新の理論として熱く注目されているホログラフィック宇宙論は、かなりメタフィジカル、スピリチュアル、特にインド思想、インド哲学宇宙論に馴染み安い。というか、そのものだとも言える。つまり、数千年前にインドで既に、宇宙の真実は記されているし、西洋や中東の古代文明とは違って焚書に遭うこともなく、温存されて残っている。一部の仏教がそれを踏襲しているし、お陰様で現代欧米で起こったニューエイジの潮流で、インド以外にも紹介されたという訳で。

 

物理学者の先生方はそれを、数学を使って証明しなくてはならないというハードルを、幾重にも、多くの学者たちの努力と直感・情熱によって乗り越えて、古代から伝わっている宇宙の仕組みと、人間が積み重ねて来た学問の世界が、ようやく、統合されようという時代になっている。(まだそう簡単には行かないとは思うけれども)

興味があって物理学の本はけっこう並んでいるものの、ちゃんと一冊読了した試しがなく(笑・本のコレクターなのです)、この番組でようやく理解出来たことも多かった。アインシュタイン、ホーキング、で知られる相対性理論では、宇宙の全体像、成り立ち、仕組みそのものを数学的に取り扱うのだそうで、一方で、量子物理学では、物質の本質である量子によって、宇宙や現象の様々を説明しようという。

 

そこに、20世紀末のあるセミナーでホーキング博士が爆弾発言。ブラックホールの中に吸い込まれた物質は、ブラックホールが熱を発して蒸発を起こす(「ホーキング放射」)中で、すべての情報が完全に消滅する、という説を発表。「ホーキングの情報パラドックス」と呼ばれるようになる。これに衝撃を受けたのは、量子論の研究者たちで、いくらブラックホールでも、存在の全てを完全に無に帰するなどあり得ないと強く反感を抱いた。

その中心が、スタンフォード大で現在も(80代ながらに)教授を務めるトスキンド博士。「全て消え去る、何も残らない」に本能的な強い反発を抱いたようだ。失われたら、その後の、その物質を作っていた要素の手がかりが何も無くなる。そんな筈は無い、と。(この気持ち、個人的にはとてもよく分かる。それこそ本能的に)

 

10年かけてこの問題を考え続け、理論武装し、「相補論」を提唱。地球の重力内から見ると、ブラックホールに引き寄せられたものはブラックホールの質量の強さゆえに止まった様に見える。一方で、物体と観測者が一緒に居る場合は、ブラックホールに落ちていく様に見える。そのどちらもが、相反する二つの現象でありつつも、観測の視点により同時に起きている、補い合っている。観測者の視点により、どちらも正しい。それが「相補論」。

これを、オランダのユトレヒト大学のトホーフト教授がさらに整理し、ホログラフィック宇宙論とした。ブラックホールの密度の上で停止した「情報」が、ブラックホールの起こす「ホーキング放射」により、映し出される。それが物質宇宙の実際であり、二次元の平面(ブラックホールの表面「事象の地平線」)にある情報がホログラフィーとして投射されている世界である、という。世界中で、相対論と量子論という物理学の二大理論を統合しようという動きで盛り上がったそうだ。

「サンダバーバラの闘い」と呼ばれている、半年に渉る(!!)物理学会での白熱した様子、面白かった。。「量子はブラックホールに飲み込まれる一方で、その物質を構成している情報は保存される」と説いても、当時はまだ多くの学者たちは、ホーキング博士が正しいという姿勢であり、反応は鈍かったという。時空の研究をしている相対論者たちにとっては、その説を理解する事が(フィルター的に)出来なかったという。

サスキンド博士は、彼らが何故、これを理解出来ないのか、理解出来なかったと当時を語る。(そうそう、そうですよね!フィルターが掛かっていると情報は人の耳や意識に入っていかない)

この論争を最終的に決着させたのが、マルダセナ博士による今では有名な「超弦理論」で、量子を粒子としてではなく、震える弦として考えることで、その震えや動きによって表現される様々な情報が、宇宙を作り上げているという。素粒子の震えの情報のひとつとして重力も存在する、ということで、「重力を含まない量子論」により相対論を説明するという偉業。これにより、量子物理学界の方向性は統合されつつあるようだ。

サンタバーバラの学会でサスキンド博士が発表する際には、「あのホーキングが負けを認めるかも?」ということで大いに盛り上がったのだとか。。ご本人は即時には認めなかった様だけど、サスキンド博士曰く、この場に居た多くのホーキング支持者たちには「意識のシフトが起きた」のを目撃した、とのこと。最初の「爆弾」と反論から、30年。そうそう・・研究史が好きなんだけど、重要で真理に触れる学説ほど最初は反発を受け、数十年掛かってようやく受容されるという事がよくある。

 

そして、メタフィジスト、エナジーワーカーとしての考察。

情報が、「完全に消え去る」ことは、無いと思う。そしてこの宇宙そのものや、マクロ、ミクロ、ブラックホールからの情報の投射と同じ仕組みが、私たち自身でもある。消えたように見えて、システムの光の中で燃えたように見えて、情報は残り、次の創造の素になる。輪廻転生はそうして、情報が持ち越される。それが時に混ざったり、関係し合ったり、変容したりはするけど、消える、ということは無い。

映画のように投射、投影されている情報は、数値化、コード化されることで個人の、ソウルグループの、家系の、人類の、時代ごとの、性別ごとの、輪廻からの、情報を積み上げてミックスし、並べて、私たちという存在を作り出している。

エナジーヒーリングで起きることも結局、その「情報」に変化を加えることだ。マイナスの、ネガティブな、良からぬ感情や性質、運などを含んだ情報を、素粒子の震えの性質から解毒・解消・変容させられる波動を送り反応させることで、弦の震え方、量子の振る舞いを変えていく。

 

ヴェーダサーンキヤ哲学でも宇宙の始まりは創造主の「視点」と、素粒子の集まりという「具材」=プラクリティ。視点が具材を見つめることで震えが起こり、ビッグバンへと進展する。つまり、ひとつのブラックホールの「事象の地平線」という映写機から、ホール内部の具材が爆発するように映し出される仕組みは、宇宙の始まりと言われるビッグバンと同じなのだろうか?・・(素人の呟き、全然違っているかもしれない)

宇宙が無数にあると言われるのも、私たち物質界の人間が考えるブラックホールという存在の、ひとつひとつが小宇宙で、またこの外側にも別の宇宙が映写機からの投射を行っていると思えば理解できる。そして、私たち人間というシステムも、ひとつひとつがブラックホールを備えた宇宙、のようなもので、どこに書いてあった訳でもないけれど自分の感覚からして、チャクラが並ぶ体の中心のエネルギー軸「スシュムナー」は、ある意味、ブラックホールなのではないかという気がしている。チャクラというセンターから、情報が投射されているのだ。チャクラは、内分泌腺に情報を送り、現実を作るものだと神智学では言う。

少なくとも7つの階層の情報域があり、その情報をプラーナが運び、スシュムナーとチャクラを通じて肉体という現象に働きかけ、現実を生み出している。それが人間。7つの階層には、魂、霊、モナド、といった違う周波数域の波動で震える「弦」が情報を蓄えている。そのすべてが、システムにより三次元に映し出しているのが我々、この瞬間。この肉体。この想い、この思考、この現象。

メタフィジカルの分野で、何もしなくても、物理学が自ずとスピリチュアルな領域へ、近づいて来ていつか統合されるだろう。けれどそれまで、ただ待っているには人間社会がまだ想いや感情に支配され過ぎていて、こちらからも、近づいて行くことで、統合の時間は早められるのだろう。

 

Love and Grace